役員運転手が知っておきたい「眠気対策」について

役員運転手の仕事は、企業役員を安全かつ迅速に、快適な運転で送迎することです。そのため、居眠り運転はもちろん、眠気で運転中注意力が散漫になるのは絶対にNGです。そこで今回は、居眠り運転の危険性を詳しく解説するとともに、運転中の眠気を防ぐコツなどもまとめます。ぜひご一読ください。
居眠り運転の危険性
居眠り運転は重大な交通事故の原因となり得るだけでなく、法的にも処罰の対象となる危険な行為です。道路交通法上、居眠り運転そのものを直接的に規制する条文は存在しませんが、運転者には「安全運転義務」が課せられています。道路交通法70条では、ハンドルやブレーキなどの操作を確実に行い、道路や交通状況に応じて他人に危害を与えないよう運転する義務が定められています。
そのため、居眠り運転によって事故を起こした場合は、この安全運転義務違反に該当すると判断されるのです。これにより、違反点数2点、普通車で反則金9,000円が科される可能性があります。さらに、事故の状況に応じて、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が課されるのです。
また、居眠り運転は過労や病気、服薬などによって正常な運転が困難な場合「過労運転」として道路交通法66条に違反する可能性もあります。この場合、違反点数は25点と非常に重く、行政処分として免許取り消しの対象となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されるリスクもあるため、特に注意が必要です。居眠り運転は自身の命だけでなく他者の安全も脅かす行為であり、法的責任の重さも含めて非常に危険な行為といえます。
運転中の眠気を防ぐコツ
役員運転手にとって、運転中の眠気は重大な事故リスクにつながるため、適切な眠気対策が不可欠です。眠気対策には、カフェインの摂取や適切な休息、身体的刺激など、さまざまな方法があります。
カフェインの活用
まず一般的で広く用いられている方法がカフェインの活用です。コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があり、眠気を抑える効果が期待できます。近年では、カフェイン入りのサプリメントやエナジードリンクも普及しており、飲用のタイミングによって効果を得やすくなっています。ただし、カフェインは過剰摂取による副作用のリスクもあるため、普段から大量に摂取するのではなく、必要なタイミングで適量を利用することが望ましいです。
適宜休息や仮眠を取る
眠気が強い場合は、適宜休息や仮眠を取ることが最も効果的です。特に長距離運転では、2時間に1回程度の休憩を推奨されており、車を停めてシートをリクライニングさせ、10〜15分程度目を閉じて休むだけでも、脳をリフレッシュさせる効果があります。仮眠が難しい場合でも、目を閉じて休むことで覚醒度が回復することがあるため、無理に運転を続けるのは避けるべきです。
食べ物・身体的刺激
食べ物や身体的刺激も眠気防止に有効です。ガムや昆布などの噛む行為は三叉神経を刺激して脳の血流を促し、覚醒効果をもたらします。特にミント味やカフェイン入りのガムは効果が高く、噛むだけで脳が活性化されます。また、ブドウ糖や糖分を摂取することも眠気覚ましとして有効です。低血糖状態では集中力が低下し眠気が強まるため、ラムネや甘い飲料を活用することで脳のエネルギーを迅速に補給できます。
身体的刺激
運転中の身体的刺激も効果的です。車を停めて簡単なストレッチやラジオ体操を行い、血行を改善することで副交感神経の優位状態を抑制し、交感神経を活性化させます。さらに、顔や首を冷やすことも即効性のある覚醒方法です。冷却シートやスプレー、エアコンの風を利用して顔や首を冷やすことで交感神経が刺激され、眠気を抑えられます。
目や嗅覚を刺激する
目や嗅覚を刺激する方法もあります。メンソール系の目薬や香りを利用することで、視覚的・嗅覚的刺激により覚醒が促されやすいです。リップクリームを人中や鼻周囲に塗る、ウェットシートで鼻や首を拭く、スプレーを使用するなどの工夫も短時間の効果があります。さらに、大声で歌う、話すといった行為も脳を刺激し眠気を防止します。ただし、歌や会話に熱中しすぎると運転の集中力が低下するため注意が必要です。
ツボ押し・痛みを利用した覚醒
ツボ押しや痛みを利用した覚醒法も有効です。手の「合谷」「労宮」「中衝」、耳たぶのつまみ、頬や太腿を軽くつねるなど、軽い刺激を与えることで脳が危険信号として認識し活性化されます。これらの方法は短時間でも効果があり、運転中の眠気対策として簡単に取り入れられる手段です。
質の高い睡眠をとることが一番大切
居眠り運転のリスクを避けるためには、普段から質の高い睡眠を確保することが不可欠です。特に夜は、湯船にゆっくり浸かり身体の疲れをほぐすことで、深い睡眠を促すことができます。また、スマホやパソコンから発せられるブルーライトは睡眠の質を妨げるとされており、就寝の1時間前には使用を控え、間接照明の下でリラックスすることが推奨されます。
加えて、生活習慣の整備も重要です。不規則な勤務や夜遅くまでの作業が多い場合でも、夜はできるだけ早めに就寝し、朝日とともに目覚める生活リズムを意識することで体内時計が整いやすくなります。さらに、寝付きが悪い人や夜中に目が覚める「中途覚醒」がある場合は、日中に軽い運動を取り入れることで睡眠の質が向上する可能性があります。
まとめ
役員運転手にとって、眠気は重大な事故リスクへ直結する見過ごせない問題です。居眠り運転は安全運転義務違反として厳しい処罰を受ける可能性があり、場合によっては免許取り消しや重い罰則に至ることもあります。だからこそ、日頃から確実な眠気対策を実践することが欠かせません。カフェインの適切な活用や短い仮眠、ガムや糖分による脳の活性化、ストレッチや冷却による身体刺激など、取り入れやすい工夫は多数あります。さらに質の高い睡眠を確保し、生活リズムを整えることこそが最も効果的な予防策です。日々のコンディション管理が、安全で快適な送迎と信頼されるプロの運転につながります。







