運転業務は思ったより少ない?役員運転手の1日の仕事の流れをチェック!
役員運転手は、タクシーの運転手とは異なり普通免許のみで従事できる仕事です。企業に属し、社長や役員の送迎を行います。とはいえ、運転する時間よりも待機する時間が長いイメージがありますよね。そこで今回は、役員運転手の仕事内容や1日の流れ、役員運転手に向いている人の特徴について解説します。
役員運転手の1日の仕事の流れ
役員運転手のおもな仕事内容は、役員を目的地まで送り届けることです。朝の出社後は、役員車に乗って役員を自宅まで迎えに行きます。そしてその日のスケジュールに沿って、会社または取引先などの目的地へと出発します。
役員運転手は出発予定時刻よりも早く、役員の送迎先に到着していなくてはいけません。その後も役員のスケジュールに合わせて移動を繰り返します。役員の1日の業務が終われば、自宅まで送り届けます。役員運転手も帰社し、1日の業務はこれで終了です。
■待機時間の過ごし方
役員運転手の主な仕事は目的地への送迎です。しかし常に移動があるわけではありません。会議や取引が終わるまでは車で待機し、いつでも車を出せるようにしておきます。この待ち時間は決して休憩時間ではありません。その後の業務をスムーズに遂行できるように準備する時間です。
もっとも重要なのは、次の移動先へのルート確認です。道路工事や事故による渋滞がないかをチェックしたり、曜日や時間帯によってルート変更を検討したりしています。また車の点検や清掃も待ち時間の重要な仕事です。汚れた車で待機していると、役員や会社に恥をかかせることになりかねません。
車内も同様で、役員がリラックスして移動できるように整えておく必要があります。さらに、役員車のコンディションも常に良好に保っておかなくてはいけません。車のトラブルで出発が遅れるなど、もってのほかです。ここまでは外出先での待機時間の過ごし方について紹介しました。
しかし、待機は会社に戻ってからも続きます。社内での待機中は、役員の秘書業務や他部署の手伝いを行うのが一般的です。役員運転手の中には、秘書と兼任している運転手もいます。役員のスケジュール管理や電話応対、メールチェックなどを行いながら、次の移動までの時間を過ごしています。
また事故を防ぐための仮眠も、役員運転手の重要な仕事のひとつです。役員運転手は時間外労働が多く、休日出勤を要請されることも少なくありません。居眠り運転のないよう、常に体力を維持しておくのも重要な任務でしょう。
役員運転手を目指すメリット
役員運転手には多くの魅力があります。最たる理由として挙げられるのは、専門資格が必要ない点です。タクシーやバスの運転手では、普通自動車第二種運転免許や大型自動車第二種運転免許がなくてはいけません。しかし役員運転手は営利目的の運転ではないため、普通自動車第一種免許さえあれば誰でも業務につけます。新たに免許を取得する費用や時間が必要ないため、求人を見つけたらすぐに応募できます。
またタクシーと違い、給料が安定しているようです。タクシーは基本給に歩合を掛け合わせた給与形態が一般的です。そのため収入が安定していません。役員運転手はほかの社員と同様の給与形態です。残業や休日出勤の有無で多少の上下はあるものの、大きな変動はありません。毎月、安定した収入が期待できるでしょう。
ほかにも、さまざまなスキルが身に付く点でもおすすめです。ビジネスマナーやコミュニケーション能力、気配り、守秘義務の徹底など、社会人として愛されるスキルが身に付きます。もし将来的にまったく別の業種に転職したとしても、このスキルはきっと役に立つでしょう。
役員運転手はこんな人が向いている!
普通自動車さえあれば、誰でも役員運転手を目指せます。とくに役員運転手が向いているのは、待つことが苦にならない人でしょう。1日の勤務時間の半分以上が、待機時間になることもあります。秘書業務や他部署の手伝いなど、希望していない仕事を任せられることもあるでしょう。運転が好きだからといって役員運転手を目指すと、待ち時間の多さにうんざりする可能性があります。
さらに時間にルーズでない性格も必須条件です。スケジュールやルート管理が適切でないために遅刻したりすると、役員のみならず、会社全体の信頼にも影響します。
また社長との会話に困らないよう、時事問題や専門用語の勉強も必要でしょう。コミュニケーション能力の高い人、気配りのできる人も役員運転手に向いています。いずれにせよ、向上心のある運転手が好まれます。真面目で仕事にやりがいを求めている人は、役員運転手としてきっと結果を残せるでしょう。
役員運転手は待機時間が半分を占める日もあり、運転のみに従事している時間は意外と少ないのが現実です。しかし役員運転手は非常にやりがいのある仕事です。普段なかなか関わることのない社長や重役と会話でき、世界が広がるでしょう。貴重な経験は自己成長をうながすきっかけにもなります。専門の資格も必要ないため、第二種運転免許をもっていない人にもおすすめです。