役員運転手に求められる意識について解説
役員運転手が担当する役員は、大手企業の上層部であることが多いため、高い運転スキルをもっている以外にも、さまざまな高い意識が求められます。役員運転手にとって役員は大切なお客さまであるため、高いビジネスマナーや細やかな心配りなどが重要です。そこで今回は、役員運転手に求められる意識について解説します。
ビジネスマナーと心配り
役員運転手はビジネスマナーと細やかな心配りが求められます。ここでは、役員運転手のビジネスマナーと細やかな心配りについて解説します。
ビジネスマナー
役員運転手は、大手企業の役員や社長を社有車で送迎することがメインの仕事です。そのため、高いビジネスマナーで対応することが求められます。運転中の車内で役員と会話をする際は、何気ない世間話であってもくだけた言葉遣いは適切でありません。
長い間役員と接していると、親しい間柄になることもありますが、相手を尊重し常に正しい敬語を使うべきです。また、役員運転手をしていると、社外の人間と接することもあります。たとえば、自社の役員と行動をともにしていると、ほかの企業の上層部の人間とも会話をすることもあるかもしれません。
その際に、相手に対して失礼な言葉遣いをしたり、失礼な態度を取ったりすると、自社の評判を落とすだけでなく、取引先企業との取引まで破談になる可能性も考えられます。
そのため、社外の人間に対してもしっかり挨拶をすることや、お辞儀をすることなど相手に敬意を払う必要があります。常に自分は見られているという意識をもち、正しいビジネスマナーを身につけることが重要です。
細やかな心配り
役員運転手にとって、担当する役員や社長は大切なお客様です。そのため、お客様が快適に過ごせるように、細やかな心配りができなければなりません。天気のよい暑い日は、役員が乗車する前からエアコンをつけて快適な温度に保ったり、雨が降っていれば傘を差し乗降時はドアを開けたりするなどの心配りが必要です。
ゴルフ場への送迎の場合は、各ゴルフクラブの入出場に関するルールを把握しておき、ゴルフバッグなどをスムーズに積み降ろしできるようにすることも求められます。役員によっては、ささいな点でも気が利かないと感じれば不愉快になる可能性もあるので、常に気を引き締めて対応するようにしましょう。
また、役員運転手は、役員のスケジュールをしっかり把握しておくことも重要です。スケジュールを把握しておくと、次の目的地まで時間的余裕がないため急いで行ったり、時間があるからゆっくり走って休ませてあげたりといった心配りが自然とできるようになります。
このような日頃からの心配りによって役員との絆が深まり、信頼関係が構築されるため、長く運転手を続けてほしいと思われる存在になれるでしょう。
運転技術と地理の把握
役員運転手には当然のことながら、社有車を安全かつスムーズに走行させる高い運転技術が必要です。ただし、役員運転手は高い運転技術以外にも快適性という要素も求められます。役員は、移動中の車内で日常的にメールのチェックや電話をすることが多くなります。
役員によっては、経営に関する重要なビデオ会議などに車内から参加するケースも考えられます。そのような場合に、急発進や急停止など荒々しい運転をすると役員は仕事に集中できません。そのため、役員運転手には揺れやスピードを感じさせない、安定した運転をする必要があります。
また、役員運転手は、地理を把握しておくことも重要な仕事です。役員は分刻みのスケジュールで行動していることが多いため、1本道を間違えただけでも遅刻になる可能性があります。そのため、目的地までの最短ルートや交通渋滞を避けるルートを完璧に把握しておかなければなりません。
目的地が遠方になる場合でも、高速道路や渋滞しにくいルートをあらかじめ押さえておき、初めて走行する道路でもスムーズに目的地に到着できるようにしておきましょう。
守秘義務を徹底して守れる
役員運転手は運転業務をしていると、役員の電話や同乗者との会話から自社の経営に関することなどの重要な機密情報を入手してしまうケースがあります。役員運転手には、そのような機密情報を外部に漏らさないように、守秘義務を徹底して守れなければなりません。
役員も人間なので、ときには悩みや不安を吐き出してしまう場合もあるでしょう。しかし、それは役員が役員運転手に対して信頼しているという証であるため、役員運転手もその信頼に応えなければなりません。
さらに深い信頼関係を築き上げていくと、役員運転手は役員をプライベートな場所にも送迎する場面が出てきます。たとえプライベートなことであっても、他社に口外してしまうと役員の立場を悪くしてしまう恐れがあるため、外部に漏らさないということの徹底が重要です。
まとめ
役員運転手には、さまざまな意識が求められます。役員運転手が相手をするのは、大手企業の役員や社長であるため、正しいビジネスマナーを身につけることが重要です。役員運転手にとって役員は大切なお客さまでもあるため、細やかな心配りができなくてはなりません。
また、役員運転手は、社有車を安全かつスムーズに走行させる高い運転技術をもっていることは当然ながら、それに加え快適性という要素も求められます。そのほかに、役員運転手は機密情報を外部に漏らさないように、守秘義務を徹底して守れなければなりません。