役員運転手の仕事は難しい？そう思われがちな理由とは

役員運転手は、企業の役員の移動をサポートする仕事です。目的地まで車を運転するというシンプルな業務内容であるにも関わらず、役員運転手は難しい仕事であると認識している人も少なくありません。今回は役員運転手の仕事が難しいと考えられがちな理由を3つ紹介するため、役員運転手として働くことを検討している人はぜひ参考にしてください。

理由1：コミュニケーションやビジネスマナーが必要だから

役員運転手は企業の役員と日常的に接する仕事です。一般的な社会人のマナーとされる言葉遣いなどはもちろん、移動の際に車内で快適に過ごしてもらうための工夫も必要です。

たとえば、気温に合わせて車内のエアコンを調節したり、役員が読書中にトンネルを通る際にはひと声かけたりといった気遣いを心がけることで移動時間を心地よく過ごしてもらえます。

また、役員によっては気分転換のため役員運転手との会話を楽しみたいと考える人もいます。ただ相槌を打って話を聞いてほしいという人もいますが、中には会話のラリーを楽しんでリフレッシュしたいという人もいるでしょう。

ビジネスの第一線で活躍する役員と話すには、一般的な社会情勢については最低限押さえておくことが求められます。新聞やニュースに目を向けて、知識・教養を身につけておきましょう。

さらに、日頃からよく会話する役員とは親密な関係になりやすいですが、距離感を間違えると失礼にあたります。正しい敬語・マナーを崩さず、ていねいな対応を徹底してください。上記以外では、挨拶の仕方やお辞儀の仕方、身だしなみなどにも気を遣う必要があります。

髪型や服装など目立ちやすい部分はもちろん、爪の長さなどの細かな部分までチェックしなければなりません。業種によって取引先の外国人と接する機会がある場合には、日常会話程度の英語力が求められるケースもあります。

役員と接する際に失礼がないよう意識すべきことが事項が数多くあることで、役員運転手の仕事は難しいという印象を持つ人も多いでしょう。

理由2：高い運転技術を求められるから

役員運転手には、高い運転技術が求められます。役員を乗せて事故に遭うことがないよう、周囲をよく見て危険を予知しながら細心の注意を払って運転しなければなりません。

特に会社が忙しい時期には移動中にパソコンや書類を広げて仕事をしたり、取引先と電話したりする役員も少なくないため、安全でていねいな運転を心がけることが必要です。

また、役員運転手には目的地に何時に到着するかを計算しながら運転し、時間に間に合うよう到着させるスキルも求められます。

よく訪問する取引先の場所を正確に把握しておくことはもちろん、渋滞しにくい道やイレギュラーの際に通れる回り道を押さえておくことも重要です。

初めて訪問する取引先や遠方の訪問先に向かう場合にも普段と同様、安全運転を心がけながら時間通りに到着するよう計算しなければならないため、事前に地図を確認して地理を細かく把握しておくなど準備も欠かせません。

さらに、役員を乗せて運転する際は、基本的には最高ランクの高級車を利用することになります。車種によっては左ハンドルであったり、車体がどっしりと重く運転時の感覚に慣れなかったりするケースもあるため、どのような車であってもスムーズに運転するための技術も必要です。

役員運転手はさまざまな要素を考慮しながら役員を目的地まで安全に送り届けなければならないことからも、難易度の高い職業であると捉えられることが多いでしょう。

理由3：守秘義務徹底の厳しそうな業界だから

先述の通り、役員の中には移動中に取引先などと電話で業務に関する会話をする人もいます。

また、役員と他の従業員を乗せた場合に、重要な情報や企業秘密について会話することもあるでしょう。役員運転手には守秘義務があるため、運転中に知り得た情報を他人に話すことは、役員から直接の口止めがない場合でもご法度です。

情報の内容や大小に関わらず他言は禁止事項であり、この程度であればよいだろうという油断は禁物です。

また、業務に直接関わる話題以外では、役員のスケジュールやプライベートに関する情報についても守秘義務があります。把握しているスケジュールや移動先はもちろん、役員の休日の予定や体調に関するプライベートな情報は他言しないようにしましょう。

役員と同じ企業の従業員であれば話しても問題ないだろうと考える人もいますが、社内の人間であっても業務中に得た情報は漏らさないようにしなければなりません。

役員運転手には徹底した守秘義務が求められることからも、難しい仕事であると捉える人が多いでしょう。

まとめ

今回は、役員運転手の仕事が難しいと思われがちな理由を3つ紹介しました。役員運転手は担当する会社の役員やその取引相手などと関わる仕事です。役員に快適な移動時間を過ごしてもらうためには、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が求められます。また、事故なく安全に目的地まで送り届けるための運転技術も欠かせないスキルです。さらに、業務中に知り得た情報や役員のスケジュール・プライベートな情報についての徹底した守秘義務が求められるため、自身の知人にはもちろん、役員と同じ会社の従業員に対しても他言するのは禁止です。役員運転手はビジネスの第一線で活躍する役員の移動をサポートするという性質上、注意すべき点が多いことから、難しい仕事というイメージを持たれやすいといえるでしょう。