役員運転手が事故を起こしてしまった場合の対処と責任の所在は?
社長や役員などが直接車の運転をすると会社のリスクになります。そのため「役員運転手」に車の運転を依頼する会社が大半です。ただし、役員運転手でも事故を起こしてしまうこともあります。その場合、どうすればよいのでしょうか。今回は、役員運転手が事故を起こしてしまった場合の対処法について詳しく紹介します。
万が一、役員運転手が事故を起こしてしまったら
車の運転のプロである役員運転手であっても、事故を起こしてしまうことはあります。では、もし事故を起こした場合にはどうすればよいのでしょうか。こちらで詳しく紹介します。
役員運転手でも起こすかもしれない事故① 物損事故
物損事故とは、物だけが壊れたり、物にキズがついてしまう事故のことです。物損事故では、人に対する被害はありません。次のケースが物損事故に当てはまります。建物、電柱、ガードレール、停車中の車などへの衝突や接触などです。
役員運転手でも起こすかもしれない事故➁ 人身事故
人身事故とは、ケガ人や亡くなる方が発生する事故のことです。人身事故では、人の肉体に対する被害があります。次のケースが人身事故に当てはまります。車で人をはねたり、接触したり、走行中の車に追突したり接触したりして、ケガ人や亡くなる方が発生することです。
運転中に実際に起こるヒヤリハットと防止策
運転中に、ヒヤリハットが起こることがあります。こちらでは実際に起こるヒヤリハットと防止策について詳しく紹介します。
ヒヤリハットとは何か?
ヒヤリハットとは、事故に遭うかもしれなかった出来事に対する発見のことです。「ヒヤリとした」「ハッとした」の2つの感情がヒヤリハットの語源です。役員運転手も車の運転中に、ヒヤリハットに気づくことで、事故にならずに済みます。
ぜひ役員車の運転中は、感覚を研ぎ澄まし、これまで見逃していたヒヤリハットに気づけるようになりましょう。次に、役員車を運転中に起こるかもしれないヒヤリハットについて詳しく紹介します。
私道から急に自転車が飛び出してきた
車を運転中に、脇の私道などから急に自転車が飛び出してくることがあります。このとき、急に飛び出してきたので「ヒヤリ」あるいは「ハッと」します。とくに、最近の自転車は、車の方が勝手に停まってくれると思っていることが大半です。
彼らは自分の方からは停まりません。そのため、そのままいくと、車で自転車をひいてしまいます。この場合の防止策は、脇に私道を見つけたときは、すぐに停めることができるように徐行をすることです。普段の速度よりも少しスピードを落として走行することで、危険を回避しやすくなります。
夜間走行中に後ろからきた車と接触しそうになった
車を運転中に、夜間走行中に後ろからきた車と接触しそうになることもあります。このとき、車と接触しそうになったので「ヒヤリ」あるいは「ハッと」します。夜間走行中は、昼間とまったく違い視界が大きく下がるので注意が必要です。
とくに、後ろからきた車が黒い車だと、暗闇に同化してしまい運転手がわからないことがあります。そのため、そのまま気づかずに走行していると、後ろからきた車が追い越しをかけてきたときに、接触や追突をするかもしれません。
この場合の防止策は、早めに気づき十分な車間距離を保つことです。夜間であっても、早めに気づき十分な車間距離をとっていれば危険を回避することができます。
役員運転手が交通事故を起こした場合の対処方法と責任の所在
役員運転手が交通事故を起こした場合には、対処方法や責任の所在はどうなるのでしょうか。こちらで詳しく紹介します。
物損事故が予想される場合の対処法とは?
役員運転手が物損事故を起こしたかもしれないと予想される場合には、次の対処方法をおすすめします。事故発生後には、車をすぐに止めて、安全な場所に移動し停車してください。そして、自分を含め社長や役員の安全を確認します。
ケガ人がいないのを確認して警察に連絡し、会社に報告をします。次に、危険がなければ壊した物の後かたづけをしたり、交通事故の二次被害の発生を防ぐ行動をとってください。危険であれば警察が来るまで車内で待機しましょう。
また物損事故の被害者がいれば、連絡先を交換したり、保険会社に連絡をしてください。
人身事故が予想される場合の対処法とは?
役員運転手が人身事故を起こしたかもしれないと予想される場合には次の対処方法をおすすめします。事故発生後には、車をすぐに止めて、安全な場所に移動し停車してください。
そして、自分を含め社長や役員、さらに被害者がいればすべての安否確認をし、負傷者がいれば救急車が来るまで必ずできるかぎりの応急処置をします。さらに救急車・警察・会社・保険会社の順番で緊急通報・連絡を行ってください。
事故の相手や目撃者がいたら、連絡先を交換しておきましょう。警察が来たら、警察と一緒に実況見分を行ってください。
役員運転手が交通事故を起こした場合の責任の所在
役員運転手が業務中に交通事故を起こした場合には、会社に使用者責任が発生します。さらに会社名義の車で事故を起こした場合には、会社には運行供用者責任も発生します。当然、事故を起こした役員運転手にも事故を起こした責任があります。
まとめ
今回は、役員運転手が事故を起こしてしまった場合の対処法について紹介しました。今回のポイントをまとめると、役員運転手が事故を起こしてしまった場合の対処法は、物損事故、人身事故によって若干異なります。
共通するのは、負傷者などがいないかの安否確認をしたり、救急車・警察・会社・保険会社の順番で連絡を行うこと、事故の相手や目撃者がいたら連絡先を交換しておくことなどです。事故を起こしてすぐには、気が動転するかもしれないので日頃から対処方法を確認しておきましょう。本記事が役員運転手が事故を起こしてしまった場合の対処法について詳しく知りたい方に届けば幸いです。