役員運転手に二種免許は必要?必要なスキルも合わせて解説
役員運転手とは、おもに上場企業の役員や社長などを送迎する運転手のことです。役員運転手は、役員や社長を安全に目的地に運ぶため、高い運転スキルが求められます。では、タクシーやハイヤーの運転するには、二種免許は必要なのでしょうか。そこで今回は、役員運転手に二種免許は必要なのか、役員運転手に必要なスキルや能力を紹介します。
役員運転手に二種免許は必須なのか
一般的に運転業務を依頼する場合は、役員運転手やハイヤーを利用するでしょう。役員運転手もハイヤーも、契約企業や団体の役員などを車両で送迎することが業務です。
ハイヤーに使用する車両はハイヤー会社に登録されているので、緑ナンバーが取り付けられています。緑ナンバーとは、緑地に白文字のナンバープレートで、運賃を払って乗るお客を運ぶ車両に取り付けられているナンバーのことです。
緑ナンバーの車両は二種免許を取得していなければ運転することができません。二種免許は、「普通自動車第二種運転免許」のことで、一種免許を取得した21歳以上の人で、3年以上の運転経験がなければ取得できません。
二種免許は商業目的で運賃を払って乗るお客を運ぶための資格です。しかし、役員運転手が運転する車両は、白ナンバーの社用車でお客ではなく自社の役員や社長であるため、二種免許がなくても一種免許があれば車両の運転ができます。
白ナンバーとは、白地に緑文字のナンバープレートのことで、主に自家用車に取り付けられているナンバーのことです。役員運転手に、二種免許は必須ではありませんが、タクシーやハイヤーなどの運転経験があった方が採用する側は安心感があります。
そのため、二種免許を取得している人材を積極的に採用する企業が多いことも事実です。
役員運転手に求められるスキルを紹介
役員運転手にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、役員運転手に求められるスキルを紹介します。
ビジネスマナー
役員運転手は、企業の役員や社長を相手に車両で送迎することがメインの業務です。そのため、必要最低限のビジネスマナーを身につけておかなければなりません。運転中に役員や社長と会話をすることもあるでしょう。
何気ない世間話でも、くだけ過ぎた言葉遣いは適切ではないため、正しい敬語を使用して相手を尊重して会話ができるスキルが求められます。また、役員運転手は社外の人とも接することが多いでしょう。
他の企業の役員と会話する際に、失礼な言葉遣いや態度を取ってしまうと、自社の評判を落とすだけでなく、取引まで破談になる可能性もあります。そのため、役員運転手として業務に就く際は、正しいビジネスマナーを習得しておきましょう。
秘書検定
役員運転手は、企業によっては秘書の仕事を兼任することもあります。そのため、秘書検定を取得しておくとよいでしょう。秘書検定は、3級・2級・準1級・1級までの4段階があり、役員運転手としてスキルアップを目指すならおすすめの資格です。
秘書検定を取得することで、マナーや来客対応などの社会人としての一般常識が身につくというメリットがあります。
資格よりスキルとコミュニケーション能力が求められる
役員運転手は資格よりスキルとコミュニケーション能力が求められます。ここでは、役員運転手に必要なスキルや能力を紹介します。
接客能力
役員運転手は、役員や社長というお客を毎日相手にすることが業務です。そのため、長く一緒にいることで親しみを覚えたとしても、高い接客能力を持つことが必要です。役員運転手の業務は車両の運転だけではありません。
役員や社長の荷物を持ったり、雨の日の乗降時に傘をさしたりといった接客も業務内容のひとつです。また、役員運転手は、役員や社長のスケジュールをしっかり把握しておく必要があります。
時間的な余裕がない場合は急いだり、タイトなスケジュールの場合はゆっくり休めるようにしたりといったサポートが重要です。
運転スキル
役員運転手として業務をこなすためには、当然のことながら高い運転スキルがなれければなりません。役員や社長は移動中の車内で、日常的にメールチェックや電話をすることが多いでしょう。
場合によっては、車内でビデオ会議に参加することもあります。そういった場合に、危険な運転をされると役員や社長は仕事に集中できません。また、役員や社長は分刻みのスケジュールで行動していることが珍しくないため、次の目的地までのルートを完璧に把握しておく必要があります。
守秘義務の徹底
役員運転手は、役員や社長と行動を共にしているため、重要な情報を知ってしまう場面があるでしょう。役員運転手には、それらの情報を漏らさない守秘義務の徹底が求められます。
役員や社長の電話や同乗者との会話から経営に関わる情報を知ってしまった場合に、情報漏えいに関して何もいわれなかったとしても、情報を流出させてはいけません。また、役員や社長をプライベートな場や病院に連れて行ったとしても、他言しないことが重要です。
まとめ
役員運転手が使用する車両は、タクシーやハイヤーと違い緑ナンバーの車両ではなく、商業目的でもないため、二種免許は必要ありません。ただし、採用する企業側は安心感を求めるため、二種免許を取得している人材を積極的に採用することがあります。役員運転手に求められるスキルは、ビジネスマナーや秘書検定などです。役員運転手には、資格より接客能力や運転スキル、守秘義務の徹底といったスキルや能力が求められます。