運転請負と運転代行は違う?違いや必要な資格は?
利用客を乗せて運転する仕事にはさまざまな種類があります。中でも運転請負と運転代行は混同されやすい職業ですが、両者には仕事内容や資格・条件などに明確な違いがあります。今回は、運転請負と運転代行の概要や違いなどを詳しく解説するため、車両の運転業務に携わりたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
運転請負ってどんな仕事?
運転請負の概要や仕事内容について詳しく解説します。
そもそも運転請負とは
そもそも運転請負とは、利用客の車両の運転に加えて整備・修理のような管理業務を総合的に請け負うサービスです。車両の運転以外の具体的なサービス内容には、利用客の乗車・降車時のドアの開閉や荷物運搬のほか、車両の点検、洗車、給油、車内清掃などが含まれます。
運転請負の仕事に求められるスキル
運転請負の仕事では、利用客を安全に目的地まで送り届けるための運転スキルが求められます。また、車両の点検管理のための知識・スキルはもちろん、利用客と関わる接客業の側面を持つことから、身だしなみや言葉遣いなどのマナー、気配りなどの接客スキルも必要です。
運転請負と運転代行の違いとは
運転請負と混同されやすい職業として運転代行が挙げられます。運転請負と運転代行はどちらも利用客を乗せて目的地まで運転するという主な仕事内容は共通していますが、いくつかの違いもあります。運転代行の概要、運転請負と運転代行の違いは以下の通りです。
運転代行とは
運転代行とは、利用客の車両を利用客に代わって運転するサービスです。運転代行サービスは飲食店やゴルフ場、結婚式などでの飲酒後に利用されることが多いです。代行業者は車に乗って2名で現地へ向かい、1名は利用客を乗せて利用客の車を運転、もう1名は利用客の車に連なる形で業者の車を運転し、目的地についたら業者の車で戻ります。
運転請負と運転代行の違い
運転請負は運転以外に車両管理業務も担当しますが、運転代行では利用客の車の運転のみを業務としています。また、運転請負で運転するのは依頼された利用客の車のみであり、運転請負業者側で車を用意することは法津で禁止されています。しかし、運転代行では利用客の車で目的地に到着してから営業所まで戻るための随伴車の手配が必要です。ただし、利用客を随伴車に乗せるのは禁止されているため、利用客は必ず本人の車に乗せなければなりません。
加えて、運転請負は公安委員会の開業許可が不要であるのに対し、運転代行は公安委員会の開業許可がなければ営業できません。そのため、運転代行事業を新規開業したいと考えている人は、必ず開業許可を取ってください。
さらに、運転代行のドライバーは普通自動車第二種免許を取得する必要があります。普通自動車第二種免許は料金を受け取って利用客を目的地まで乗せる場合に必要な免許であり、主にタクシードライバーなどが取得します。普通自動車二種免許の試験は普通自動車一種免許よりも難易度が高く、新たに運転代行を始めたい人は、まずは教習所で普通自動車二種免許を取得することからスタートしなければなりません。
運転請負に必要な資格・保険を解説
運転請負でドライバーとして働くには、運転免許の取得と保険への加入が必要です。ここでは、運転請負に求められる資格と保険について詳しく解説します。
運転請負でドライバーとして働くために必要な資格
運転請負で働くには普通自動車第一種免許が必要です。先述の通り、運賃をもらって利用客を目的地まで運ぶ職業では普通自動車第二種免許の取得が必要となります。運転代行では普通自動車第二種免許の取得が求められるものの、運転請負では運転以外にも点検や修理などのさまざまな業務を総合的に請け負うことから、普通自動車第二種免許が必要な仕事には当てはまりません。そのため、運転請負で働く場合は普通自動車第一種免許を取得していれば問題なく、そのほかの資格や免許は不要です。
運転請負でドライバーとして働くために必要な保険
運転請負で働く際は、管理請負自動車保険への加入が必要となります。管理請負自動車保険とは、車両管理者が車両の運行・管理を請け負った自動車について、万が一の事故が起きた際に損害賠償金や治療費、訴訟費用などを保証してもらえます。基本的には運転請負サービスを提供する業者側で加入するケースが多いものの、運転請負を依頼した利用客側で管理請負被保険者追加特約を契約して保険を適用することも可能です。
まとめ
今回は、運転請負の概要や仕事内容のほか、運転代行と違いや運転請負に必要な資格・保険について詳しく解説しました。運転請負は運転や車両管理を請け負う仕事であり、普通自動車第一種免許のみで営業することが可能です。運転代行とは異なり営業許可を取る必要もないため、運転業務が初めての場合でもハードルが低く挑戦しやすいでしょう。運転請負として働く場合は、役員運転手を選択することをおすすめします。役員運転手は企業の役員を乗せて移動するドライバーであり、勤務時間や担当する役員が決まっていることから、安定した業務量や収入を見込めます。また、利用客一人ひとりと向き合って信頼関係を築きながら働きたい人にも向いています。運転請負として働くことを目指している人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。